本学におけるハラスメント対策

令和4年6月20日現在

ハラスメント防止のための基本的な考え方

  1. 高知リハビリテーション専門職大学(以下「本学」という)は、本学に所属するすべての学生・教職員及び関係者が、個人として尊重され、ハラスメントを受けることなく、本学において修学・教育・研究し、業務が遂行できるような環境を作るよう努めます。
  2. ハラスメントは、その人の尊厳や名誉を傷つけるものであり、人権を侵害する行為です。本学は、すべての学生が良好な環境で学習・研究し、課外活動をする権利、すべての教職員が良好な環境で教育・研究する権利、良好な環境で勤務する権利を確保するために、ハラスメントの防止に断固たる態度で臨みます。万一ハラスメントが生じた場合には、問題解決のため必要な措置をとることに最大限努力します。
  3. 本学は、被害を受けたと感じたすべての学生・教職員等が、安心してハラスメントの苦情を申し立て、相談を受け付けられる窓口を設置します。さらに、ハラスメントの苦情に対しては、適切な調査と慎重な手続を経たうえで、厳正な処分を含む対応を行います。その際には、関係者のプライバシーを尊重し秘密を厳守します。また、研修や教育を通じた予防・啓発の促進に努めます。

ハラスメントとは何か(定義)

ハラスメントとは、性別、宗教、社会的身分、人種、民族、国籍、信条、年齢、職業、身体的特徴、セクシャリティなど属性、あるいは広く人格に関わる事項等に関して、相手の意に反して行われる言動によって、相手に不利益や不快感を与え、その尊厳を傷つけることをいいます。
内容によって、セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント、妊娠、出産等に関するハラスメント、育児休業等に関するハラスメント、アルコールハラスメント等があります。ここでは、特に三つのハラスメントについて説明します。

  • セクシュアル・ハラスメント

    「セクシュアル・ハラスメント」(以下「セクハラ」という)は、性的な言動または固定的な性別役割の押し付けなどによって、他の者に肉体的・精神的な苦痛や不利益や不快感を与えることです。
    また、同性間における「セクハラ」やストーキング行為および相手の意に反するその他の性別言動(性的指向や性自認に対するハラスメントなど)も含まれます。
    「セクハラ」であるかどうかは、「セクハラのつもりではなかった」といった行為者の認識によるものではありません。

    【性的な内容の発言の具体例】

    • 講義中に教員が卑猥な冗談をいう。
    • セクシュアル・マイノリティをからかう。
    • 「男なんだから」「女らしく」など、職場や教室で性別役割意識に基づく発言をする。
    • 相手が嫌がることをSNS上に書き込む。
    • 人格を傷つけかねない噂や性的風評を流す。
    • 恋愛経験や性体験などについて、質問をする。

    【性的な内容の行動の具体例】

    • 断られてもしつこく連絡をしたり、交際を迫る。
    • 理由をつけて二人きりになりたがる。
    • 特定の人のみを合宿やコンパに誘う。
    • 一方的に相手の身体に接触する。常識の範囲を超えて接近する。
    • 卑猥な写真や絵をみせる。

    ※なお、上記はあくまでも一例であり、これに合致しなければセクハラにならない、ということを意味するものではありません。

  • アカデミック・ハラスメント

    「アカデミック・ハラスメント」(以下「アカハラ」という)は、教育・研究の場において、権威的または優越的地位あるいは有利な立場にある者が、教育・研究上不適切な言動・指導等を行い、その指導等を受ける者の研究意欲や教育・研究環境を著しく阻害・悪化させることです。

    ただし、教育・研究上の指導は多様であり、適正な範囲での厳格さが必要であることは考慮する必要があります。また指導を受ける側の感じ方や微妙なニュアンスの違いもあり、指導する側が無意識な言動がハラスメントになることも少なからずあります。

    当事者の所属する教育・研究の場が、問題となる言動により教育・研究を円滑に遂行できない環境になるような場合には、アカハラに該当すると考えられます。

    【アカハラの具体例】

    教員から学生へ

    • 正当な理由なく、研究室への立ち入りを制限する。
    • 本人の希望に反する研究テーマなどを押し付ける。
    • 合理的な理由もなく、退学や留年を勧奨する。
    • 正当な理由なく、教員が学修の成果や成績に不当に低い評価を与える。
    • 「放任主義だ」「自主性を尊重する」などと言って、研究指導やアドバイスをしない。
    • 学生が出したアイデア、調査データなどを無断で使用し論文を書く。
    • 特定の者を他の者と差別して、必要以上に厳しい条件を課す。
    • 些細なミスに対し、大声で叱責したり、人格を否定するような言動を繰り返す。

    学生から教員へ

    • 成績評価をめぐって、学生が教員に対して「単位を出さないとどうなっても知らないぞ」などといった脅し文句を言ったり、暴言を吐く。

    ※なお、上記はあくまでも一例であり、これに合致しなければアカハラにならない、ということを意味するものではありません。

  • パワー・ハラスメント

    「パワー・ハラスメント」(以下「パワハラ」という)は、職務上の地位または人間関係などの職場内の 優位性を利用して、その部下や同僚(場合によっては上司)の就労意欲や就労環境を著しく阻害する結果となるような、不適切な言動、指導または待遇を指します。  パワハラは職場にだけ起こるのではありません。先輩 ・ 後輩、上下関係や優位関係のあるゼミやサークルなどでも起こり得ます。パワハラには、攻撃型(人前で怒鳴る、机などを叩いて脅かす)、否定型(仕事・人格・ 能力を否定する)、強要型(自分のやり方をおしつける、責任をなすりつける)、妨害型(仕事を与えない、必要な情報を与えない)など、さまざまなタイプがあります。

    【パワハラの具体例】

    職場で

    • 一人だけを仲間外れにする。
    • 大勢の前で罵倒する。
    • 能力や性格について不適切な発言をする。
    • 意図的に昇進・昇級を妨害する。
    • 本人のいやがる部署に意図的に配置転換する。
    • 職務上必要な情報を意図的に伝えない。
    • 本来の職務とは関係のない個人的な用件をするように強要する。
    • 個人情報や噂を周囲に言いふらし、当人の職場での居心地を悪くする。
    • 飲み会などへの参加を無理強いする。
    • 理由をつけて、個別的に深夜まで業務を行わせる。

    部活やサークル活動で

    • 伝統だからとして、本人の望まないことを無理強いする。
    • 強制的に深夜までの部活につきあわせる。
    • OB や OG が自分たちが学生だった頃の慣習を押しつける。
    • 社会通念上認められない行為を強要する。
    • 部やサークルを辞めたいと意思表示をしても認めない。

ハラスメントへの対応(相談から問題解決までの流れ)

学生支援相談室の対応

本学では、学生支援相談室(以下、相談室という)を設置します。相談室は、学生の話を聞き、気持ちや状況の整理を手伝い、学生が自ら問題解決の方法がとれるように援助する部署です。また、学生の了解が得られれば、学科や専攻、事務課との連携・協力を図り、学内で調整を行います。
相談で問題が解決せず、ハラスメント対策委員会へ申し立てをする場合には、その申し立ての方法や、学生の想いが適切に書類に反映できるように援助をしていきます。

ハラスメント対策委員会の対応(下図参照)

  1. 学生は学生支援相談室を経由するか、直接ハラスメント対策委員会に申立てを行います。教職員はハラスメント対策委員会に申立てを行います。
  2. ハラスメント対策委員会(以下、対策委員会)では、事実関係(申し立ての内容)を把握したあと、調査委員会をたちあげます。
  3. 調査委員会で選定された相談員が、「ヒアリング」を行い、結果を対策委員会に報告します。
  4. 対策委員会は調査委員会から受けた報告をもとに対策委員会としての見解(どのような措置が適切か)を出します。
  5. 対策委員会は、出した見解の結論に理由を付して、必要かつ適切な措置がとられるよう、当該部署長に勧告し、学長に報告します。同時に、本人(申立人)に経過およびそれに伴う措置を回答します。
  6. 学長は懲戒に値するか否かを判定したあと、理事長に報告し必要に応じて措置が下されます。同時に、本人(申立人)に措置の内容を報告します。

図 相談から問題解決までの流れ

ハラスメント対策委員会

  1. ハラスメント対策委員会は、どのような援助や調整が必要であるか、ヒアリングなど事実確認のための調査や面談を通して、公正中立な立場で判断します。
  2. 委員会では、重大な人権侵害や暴力行為などをともなう緊急性の高いもの、あるいは軽微で誤解・認識不足による人間関係の調査委を要するもの、などの判断を行い、その処理方針・方法を決定し、問題の解決にあたります。
  3. 委員会では、大学における人間関係や信頼関係の維持を考慮して、当事者の合意を得て、カウンセリングや人間関係の調整などによって解決することが望ましいと考えております。これを原則としますが、調整にも関わらず、当事者の合意が得られなかった場合、またはハラスメントが重大であり、委員会が懲戒処分等の必要性を認めた場合には、処分を勧告することがあります。

秘密の厳守

  1. ハラスメントの相談受理や問題処理の過程において、プライバシーに最大限の配慮を行います。相談や問題処理の過程で関与した者、カウンセラーを含む相談員、相談を受けた教職員には、関係者のプライバシーと秘密を守ることを義務付けます。
  2. 本人の同意や承諾がないかぎり、その職務上知り得た情報について、正当な理由なく漏洩することを固く禁じます。
  3. 守秘義務は、信頼関係を築き維持するための基本であり、安心して何でも相談できるための保障です。また、苦情を申し立てられた人にとっても、秘密が守られることで、率直かつ誠実な話し合いが可能となります。

ハラスメントに関して学生や教職員に求められる責務

  1. すべての教職員および学生は、学内学外を問わず、ハラスメントを行ってはなりません。日常、大学や職場において、互いの信頼のもとに良好な環境を保つように努め、ハラスメントと思われる言動に出会ったときは、注意を促さなければなりません。
  2. 対策委員会は、ハラスメントの防止等を図るため、教職員および学生に対し、パンフレットの配布、ポスターの掲示等により啓発を行うよう努めます。また教職員に対し、ハラスメントに関する基本的事項や教職員に求められる役割等について理解させるため、必要な研修を実施するものとします。教職員は研修に参加し、ハラスメントに対する理解を深めなければなりません。

ハラスメントに関する相談先

以下の連絡先にて受付けます。連絡・相談方法は、以下のとおりです。
専用メールアドレス:harassment@kochireha.onmicrosoft.com
メール受付時間:月~金 9:00~17:00(土日祝日は除く)
確認次第、相談員から返信します。