図書館で行われているユニークな学習支援を紹介します。
記憶の秘訣は、思い出すこと(想起)を繰り返すことです。ところが思い出すにはいったん対象を覚えなければなりません。これを「記銘」といいます。記銘するには、読む、書くなどの努力が必要です。これがつらいので記憶トレーニングはなかなか定着しません。
プロンプトとは、思い出しに成功するための手掛かり刺激のことです。例えば、すい臓で分泌されるホルモンには、インシュリン、グルカゴン、ソマトスタチンというホルモンがあります。この名前を記銘するのは大変ですし、すぐに忘れてしまうでしょう。そこで、思い出しを容易にするためにプロンプトを用います(図)。
すい臓のホルモンを3つ答えなさい。 インシュ〇〇、グルカ〇〇、ソマトス〇〇
想起に成功できたのではないでしょうか?
こんなヒントを頼りにしていては、記憶が定着しないと考えられるかもしれません。
そんなことはありません。次は、こうします。
すい臓のホルモンを3つ答えなさい。 イン〇〇〇〇、グル〇〇〇、ソマト〇〇〇〇
成功できましたか?
次は、イ〇〇〇〇〇、グ〇〇〇〇、ソマ〇〇〇〇〇
これがプロンプト・フェイディング法です。この方法を利用すると短時間で記銘が完了します。
この他にも、記憶を深く定着させる流暢性トレーニング、効率よい記銘を可能にするチラポイ法など、様々な工夫を取り入れてます。